【保健機能食品の制度】トクホってなんなの??【管理栄養士が解説】

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ここ数年でよく目にするようになったトクホ。

なんとなく健康に良さそうだけど、実際どうなの??って人も多いと思います。

また、管理栄養士の人たちも患者さんなどから

トクホの○○って飲んでるんだけど、どうかしら?

なんてこと聞かれることもあると思います。

そんなとき自信をもって答えられていますか??

 

今回は、トクホを含む保健機能食品について一般の人から管理栄養士の人たちまで

分かるように紹介したいと思います。

 

 

 

 

 

保健機能食品とは

 

食品は一般食品と保健機能食品に大別できます。

一般食品とは機能性の表示ができないもの

保健機能食品は機能性の表示ができるもの

となっています。

 

その保健機能食品には、特定保健用食品や栄養機能食品、機能性表示食品などが含まれています。

では、それぞれを解説していきましょう。

 

特定保健用食品(トクホ)

 

この特定保健用食品がいわゆるトクホというものです。

健康の維持増進に役立つことが科学低根拠に基づいて認められ

「コレステロールの吸収を抑える」などの表記が許可されている食品を指します。

 

表示する効果や安全性については、国が審査を行い

食品ごとに消費者長官が許可しています。

 

これに認可されるには、「ランダム化比較試験」によって効果が立証されなければいけません、

「ランダム化比較試験」とはざっくりいうと介入試験の一種です。

(細かく説明すると長くなるので割愛します。。。ごめんなさい汗)

 

なので、トクホに認可されるには

販売しようとしている製品を摂取する「介入群」と

関係成分が含まれていない製品を摂取する「対照群」に分けて効果を検討します。

 

例えば、中性脂肪を下げる効果のあるお茶をトクホに認可してもらうためには、

中性脂肪を下げる効果のあるお茶を摂取する「介入群」と

普通のお茶を摂取する「対照群」

において、毎日同量のお茶を飲む生活を一定期間継続してもらい、

試験終了後「介入群」の方において「対照群」よりも

中性脂肪が下がっている必要があります。

(このとき各群の振り分けをランダムに行うとランダム化比較試験になります)

 

このように、かなり大掛かりな研究を行って

その結果で国が認めてくれるものがトクホとなります。

 

なので、労力や金銭がかなりかかって商品化されているものです。

(そのため、値段がやや高めに設定されています)

その分、効果は保証されているといえます。

 

ちなみにこのマークがトクホ認定マークです。このバンザイマーク見たことありますよね?笑

(著作権は大丈夫らしいので載せてみます)

 

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栄養機能食品

 

次に栄養機能食品について説明します。

こちらは、栄養成分(ビタミンやミネラル)の補給のために利用される食品で、

国の定めた基準量の栄養成分を含んでいれば「栄養機能食品」と表記できます。

 

こちらは、トクホと違って国の審査や許可などが必要無いものなので、

過度に期待して摂取することはおすすめしません。

自分の食生活で不足している栄養成分を補給するために使用するのがメインとなります。

(いわゆるサプリメントなどは、ここに含まれることが多いと思います)

 

 

機能性表示食品

 

こちらは、ここ数年で新しく保健機能食品に加わったものです。

トクホと違って自分たちで介入試験を行う必要はないですが、ほかの人たちが行っている論文を用いて効果を提唱し、国へ届け出を出すことで表示できます。

この国への届け出ですが、トクホと異なって許可制ではなく届け出るだけで良いという点に注意が必要です。

そのため、トクホでは表示の責任が国にあるのですが

機能性表示食品では事業者の責任となっています。

 

自分たちで介入試験を行わなくて良いので、労力や金銭の負担がなくなり

中小企業にもチャンスが開かれたといえます。

が、やはり自分たちで試験を行い、効果を示しているわけでは無いので、

トクホの方が効果は上だと個人的には思います

 

 

さいごに

 

ここまでの説明を読んでくれた人は、

「トクホ」が最も効果が期待できると思っているかもしれません。

もちろん、間違ってはいません。

 

ですが、トクホが認められた根拠の論文を読んでみると

だいたい、介入群では毎食トクホの製品を摂取しています。

ということは、効果が保証されるには毎食トクホ製品を摂取する必要があるのです。

どうですか?なかなか難しいと思います。

 

なので、私は栄養指導でトクホについて聞かれるときは

「毎食食べられるなら効果が期待できます。

それが無理なら気休め程度だと思ってください。」

そんな風に答えています。

もちろん、例えば普通のお茶を飲むよりもトクホのお茶を飲んだ方が多少は良いと思いますけど。。。

確実に効果を求める人は、

元の論文を読んで、その試験と同様の摂取量・摂取頻度を守る必要があるのです。

 

 

 

このように保健機能食品の環境は日進月歩で日々変化しています。

管理栄養士の人たちはもちろん、消費者の人たちも間違った商品を買ってしまわないように

情報を集める必要がありますね(^^)/

 

では、このへんで~ノシ